着物の汚れ、色焼けをお仕立てでお直し

MEGUMI

2018年11月13日 10:36

現代では 箪笥に眠ったままの着物がたくさんあるといわれます。

ある方が お茶を習い始めて、それを聞いた親類の方が 色無地を下さったそうです。

とてもキレイな水色がかったグレーで、一目見て気に入ったそうです。

でも、広げてみて 衿と上前の見頃に汚れがあることに気付かれました。

さて、これはどうしたものか。

古くて何が付いて汚れたのかも分からないと、シミ抜きに出すのもなぁ・・・

念の為色々調べられたそうですが、古い汚れは シミ抜きで取れなければ色掛けという作業をしたり、お店によっては 染め直しを勧められるところもあるとのこと。

染め直しとなれば 着物を解いて反物に戻し、染めてまた仕立て直すことになります。

解き代8000円、染め直しは17000円、仕立て代が28000円、合わせて53000円・・・

ということで仕立てで何とかならないかと相談を受けました。

詳しく汚れを調べてみると、なるほど 衿にはくっきりファンデーション汚れの他に 何か食べ物をこぼした跡もあり、上前にもそれと同じような汚れが大きく数カ所にありました。
これが上前見頃にある汚れです。



でも、他の袖や後ろ見頃は大して汚れていません。

そこで、上前見頃・上前衽を 着た時には見えなくなる下前見頃・下前衽と入れ替えて、衿は掛け衿と本衿を入れ替えてお直しすることを提案しました。

更に、お客様に対してその着物の身丈が足りないので、身丈も7センチ程長くすることにしました。

袖と背縫い以外、ほとんど解いてお直しすることになりますが、お仕立て代よりも高くならないように お直し代を抑えての提案に、お客様も喜んで下さいました。

さて、出来上がりはこんな感じ❗️



って、写真を撮るのが下手で伝わらないかもしれませんね。 すみません。

でも、生き返った着物に とても感動して頂けました❗️

解いて染め直して仕立て直す方が 生地もキレイになって新品同様になりますが、そこまで汚れてなければ お客様のご希望に沿ったお直しの仕方で こうして生まれ変わることが出来ます。

もし、手持ちのお着物でお悩みがありましたら、1度ご相談ください。

和裁士として ご希望に沿えるよう努めさせて頂きます。





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